「芝生をキレイに保ちたいのに、なんだか元気がない」「水やりしても吸収が悪い」と感じたことはありませんか? その原因のひとつが「サッチ」の蓄積かもしれません。
この記事では、芝生管理で大切な作業の1つ、「サッチング(サッチ取り)」について、方法や注意点などを詳しく解説していきます。
サッチングとは?芝生を健康に保つ秘訣
サッチとは、芝生の刈りカスや枯れた葉、根などが地表に溜まった層のこと。適度にあれば問題ありませんが、放置すると芝の成長を妨げる厄介者になってしまいます。
サッチが溜まるとどうなる?
サッチが厚くなると、芝生の根元がふさがれて空気や水、肥料が土に届きにくくなります。その結果、芝の生育が悪くなり、見た目も元気のない状態に。さらに、湿気がこもりやすくなり、病害虫の発生リスクも高まります。特に日本の高温多湿な気候では、サッチの管理が重要です。
サッチングで芝生をリフレッシュ!
サッチを取り除く作業を「サッチング」といいます。専用の熊手やサッチング機を使って、絡み合ったサッチを取り除くことで、土に酸素が行き渡り、芝が根元から元気を取り戻します。水はけも改善されるため、病害虫のリスクも減らせます。
芝生を長く美しく保つためには、定期的なサッチングが欠かせません。適切なタイミングで行い、芝生の健康を守りましょう。
芝生のサッチング方法!初心者でもできる手順
芝生を元気に育てるために欠かせない「サッチング」。でも、やり方が分からずに放置していませんか?実は、正しく行うことで芝生の健康がぐんと向上します。
サッチングに必要な道具
サッチングを始める前に、まずは必要な道具を揃えましょう。
- サッチングレーキ(手動で簡単にできる)
- 電動サッチャー(広い面積ならこちらが便利)
- 熊手(取り除いたサッチを集める)
- ゴミ袋(回収したサッチを処分)
サッチングの基本ステップ
- 芝生の状態をチェック
まずは芝生の状態を確認しましょう。芝生を少し掻き分け、地面の上に茶色い層(サッチ)が1cm以上溜まっている場合は、サッチングが必要です。 - サッチングを実施
- 手動の場合:サッチングレーキを芝生に押し当て、軽く引くように動かす。 1㎡ごとに縦横の2方向でサッチをかき出す。
- 電動の場合:電動サッチャーを設定し、芝生全体を均一にかける。 必要に応じて2回目を実施(やりすぎに注意)。
- 取り除いたサッチを掃除
熊手を使って、取り除いたサッチを集めて処分します。放置すると芝生の生育を妨げるので、しっかり回収しましょう。 - サッチング後のケア
サッチングを行った後は、芝生がダメージを受けやすい状態です。水やりや目土入れなどのケアを行いましょう。
サッチングはやりすぎると芝生に負担をかけるため、適切な頻度を守りましょう。
サッチングの効果!芝生が生まれ変わる理由
芝生の健康を取り戻す「サッチングの効果」について詳しく解説します。サッチングをすると、どんなメリットがあるのかを知って、青々とした芝生を目指しましょう。
サッチングをすると芝生はどう変わる?
- 空気が土に届きやすくなる
- 水はけが良くなる
- 養分の吸収がスムーズになる
- 病害虫のリスクが減る
「最近、芝生の元気がないな…」と感じたら、サッチが溜まりすぎている可能性があります。では、具体的にどんな効果があるのかを詳しく見ていきましょう。
サッチングの効果
- 土に酸素が届きやすくなり、根が丈夫に育つ
サッチが厚く積もると、土に空気が届きにくくなります。すると、芝の根が酸欠状態になり、成長が鈍くなるのです。 サッチングで不要なサッチを取り除けば、土の中に酸素がしっかり行き渡り、芝の根が元気に育ちます。根が丈夫になると、芝生全体の生命力が増し、強く美しい芝になります。 - 水はけが改善し、根腐れを防ぐ
サッチが多くなると、雨や水やりの水がうまく地面に浸透せず、表面にたまってしまいます。特に梅雨の時期や雨の多い季節は、水はけが悪くなることで根腐れを起こすこともあります。 サッチングをすることで、土の表面がふかふかになり、水がスムーズに染み込むようになります。水はけが良くなると、根がしっかりと水分を吸収できるので、乾燥にも強い芝生になります。 - 養分がしっかり吸収され、青々とした芝生に
「肥料をまいているのに、芝生が元気にならない…」そんなときは、サッチが邪魔をしている可能性があります。サッチが厚くなると、肥料が芝の根に届きにくくなり、効果が半減してしまうのです。 サッチングで不要なサッチを取り除けば、肥料や栄養分がスムーズに根に届くようになります。その結果、芝生がぐんぐん成長し、青々とした美しい芝生になります。 - 病害虫の発生リスクを減らす
サッチが厚く溜まると、その中に湿気がこもり、カビや病気の原因になります。また、害虫が住みつく温床にもなりやすいため、放置すると芝生が傷んでしまいます。 定期的にサッチングを行えば、風通しが良くなり、病害虫のリスクを減らすことができます。健康な芝生を維持するためにも、サッチングは重要なメンテナンスのひとつなのです。

芝生のサッチングはいつが最適?ベストなタイミングや頻度は?
芝生の健康を維持するために欠かせないサッチングですが、「どれくらいの頻度でやればいいの?」と悩んでいませんか?サッチングのやりすぎは芝生を傷める原因になり、逆に放置しすぎるとサッチが溜まりすぎて芝生の生育を妨げてしまいます。
サッチングが必要なサイン
サッチの厚みが 1cm以上 になると、芝生に悪影響を及ぼし始めます。以下のような状態になっていたら、サッチングのタイミングです。
- 雨が降っても水が地面に浸透しにくい
- 芝生が黄色く変色しやすい
- ふわふわして足元が沈む感じがする
- 芝刈り後に刈りカスが土の上に残りやすい
- 苔が発生している
サッチングに適した季節はいつ?
サッチングは芝生に負担をかける作業なので、成長が活発な時期に行うのがベストです。一般的に、春と秋が適した季節とされています。
- 春にサッチングをするメリット
- 気温が上がり、芝生が活発に成長するため回復が早い
- 昨年に溜まったサッチを取り除き、新芽の成長を促せる
- 秋にサッチングをするメリット
- 夏に傷んだ芝生を整え、冬に備えられる
- 適度な気温と湿度で芝の回復がスムーズ
サッチングの適切な頻度とは?
生育環境によって最適な頻度は変わりますが、一般的に、芝生のサッチングは 年に1~2回までが目安とされています。適切な頻度は芝生の成長速度、環境によって変わるため、一概に「○カ月ごとにやるのがベスト」とは言えません。通常の生育状態であれば、春と秋の2回 までが理想的です。
サッチング頻度を調整するポイント
- 芝刈り刈りカスを残さない
芝刈りの際にでる刈りカスを残さないことで、サッチの蓄積を抑えられます。 - 必要以上にやりすぎない
サッチングのしすぎは芝生の根を傷つけることがあります。特に、頻繁に芝刈りをする芝生では、過度なサッチングを避けるのがポイントです。 - 環境を考慮する
湿度が高い地域や日陰が多い場所では、サッチが溜まりやすくなるため、通常よりもサッチングの頻度を増やしてもよいでしょう。
避けたほうがいいタイミングは?
サッチングには適した時期がある一方で、避けるべきタイミングもあります。間違った時期に行うと、芝生が弱り、枯れる原因になってしまいます。
- 夏の真っ最中はNG!
夏のサッチングは、芝生に大きなダメージを与える可能性があります。特に、気温が30℃を超えるような真夏は避けるようにしてください。強い日差しと乾燥により、芝生が回復できずに弱ってしまうことがあります。 - 冬は芝生の休眠期なので避ける
寒い冬の時期は、芝生の成長がほぼ止まっています。この状態でサッチングをすると、回復できずにダメージだけが残ってしまいます。特に、日本芝は冬になると茶色く枯れたように見えますが、この時期にサッチングをするのは逆効果です。
天気や地面の状態もチェックしよう
サッチングをする前に、天候や芝生の状態も確認することが大切です。
- 乾燥しすぎていないかチェック
地面がカラカラに乾いていると、サッチングをしたときに芝が傷みやすくなります。前日に軽く水やりをしておくと、土に適度な湿り気が保てます。 - 雨上がり直後は避ける
雨が降った直後にサッチングをすると、土がぬかるんで作業がしにくくなります。数日晴れた後の、適度に乾燥したタイミングを狙うのがベストです。
サッチングで芝生が枯れる?よくある失敗例と対策を解説!
「芝生のサッチングをしたら、かえって枯れてしまった…」そんな経験はありませんか?サッチングは芝生を元気にするための大切な作業ですが、やり方を間違えると芝がダメージを受けることがあります。
サッチングで芝生が枯れるのはなぜ?主な原因はこれだ!
- やりすぎて根を傷つけた
サッチングは、芝生の根元に溜まった「サッチ」を取り除く作業です。しかし、強くやりすぎると芝の生きた根まで削ってしまい、ダメージを与えることがあります。- 対策
- サッチングは一度にやりすぎず、様子を見ながら進める
- 電動サッチング機を使う場合は、刃の深さを調整する
- 熊手などを使った人力でのサッチングは、力加減に注意する
- 対策
- 時期が悪かった
サッチングは、芝生が元気に成長する時期に行うのがベストです。休眠期や気温が極端に高い・低い時期に行うと、芝生が回復できずに枯れてしまうことがあります。- 対策
- 夏の暑い時期や冬の寒い時期は避ける
- 芝生の生育が活発なときに行い、すぐに回復できる環境を整える
- 対策
サッチング後のメンテナンス!芝生を元気に育てるコツ
サッチングをした後の芝生、どのように手入れすればいいのか迷っていませんか?サッチングをすると芝生がスカスカになり、一時的に弱って見えることもあります。でも、適切なメンテナンスをすれば、芝生はより美しく元気に育ちます。
サッチング後に必ずやるべき3つのメンテナンス
- 目土を入れる
サッチングをすると、芝生の表面に細かい隙間ができます。この隙間を埋めるために「目土(めつち)」を入れるのがおすすめです。目土を入れることで芝生の根元を保護し、回復を促進するため新しい芽が出やすくなり、芝生全体が均一に整います。- 目土の選び方と入れ方
- 目土は芝生用の土を選ぶ
- 目土は薄く均一に広げ、レーキやブラシで馴染ませる
- 芝生が完全に埋まらないように、適量を意識する
- 目土の選び方と入れ方
- たっぷり水をやる
サッチング後は、芝生がストレスを受けて乾燥しやすくなっています。しっかりと水をやることで、芝の回復を助けましょう。- 水やりのポイント
- サッチング直後は、たっぷりと水を与える
- その後1週間は、土が乾かないように適度に水をやる
- 朝か夕方の涼しい時間帯に水やりをする
- 水やりのポイント
- 肥料を与える
サッチングをした後の芝生は、栄養をしっかり補給することが大切です。肥料を与えることで、新しい芽が出やすくなり、芝生全体が健康に育ちます。サッチングをした後、2〜3日経ったら追肥をしましょう。すぐに肥料をまくと、芝生がストレスを受けて吸収しにくくなるため、少し時間を空けて薄めに与えるのがポイントです。 肥料は均一にまき、その後たっぷりと水をやると、効果的に芝に吸収されます。
【まとめ】正しいサッチングで美しい芝生を育てよう
サッチングは芝生の健康維持に欠かせない作業ですが、やりすぎや時期のミス、ケア不足が原因で芝生が枯れてしまうことがあります。
- やりすぎに注意し、作業は適度な強さで行う
- 最適な時期(春・秋)に実施する
- サッチング後の水やり・追肥・目土でケアする
これらのポイントを守って、正しいサッチングで美しい芝生を育てましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。