芝生を美しく保つためには、適切な施肥が欠かせません。肥料を正しいタイミングで適量施すことで、芝生は健康に育ち、鮮やかな濃い緑色を維持できます。本記事では、芝生に必要な栄養素や施肥のタイミング、効果的な施肥方法について詳しく解説します。
芝生の成長に必要な栄養素
「芝生の元気がない…」「思ったより緑が薄いかも?」そんなとき、まずチェックしたいのが“栄養”です!
芝生も私たちと同じように、しっかりご飯(=栄養)を食べないと健康に育ちません。では、芝生にとって必要な栄養とは何なのか?植物を美しく元気に育てるための三大栄養素をご紹介します!
芝生のご飯「三大栄養素」とは?
芝生の成長に欠かせない栄養素は、 窒素(N)・リン酸(P)・カリ(K) の3つ。これは植物全般に必要な基本の栄養素で、それぞれ役割が違います。
栄養素 | 役割 |
---|---|
窒素(N) | 葉や茎の成長を促し、きれいな濃い緑色を保つためには欠かせません。ただし、窒素が多すぎると芝生がムダに伸びすぎて管理が大変になるので、適量が大事です。 |
リン酸(P) | 根の成長を助けます。根がしっかり張ることで、乾燥や暑さに強くなり丈夫に育ちます。特に新しく芝生を張ったばかりのときや、冬越しの準備にはリン酸が役立ちます。 |
カリ(K) | 芝生の体調を整える栄養素。病気や乾燥、寒さ・暑さへの抵抗力を高めてくれます。しっかり与えておくと、環境の変化にも負けない強い芝生になります。 |
特に「濃い緑の芝生」を目指すなら、窒素が重要です。しかし、バランスを欠くと芝生が弱くなるため、適切な割合で施肥することが大切です。
芝生用の肥料には、「N-P-K(窒素-リン酸-カリ)」の割合が書かれています。芝生の状態に合わせて、このバランスを意識して選ぶと効果的ですよ!
化成肥料と緩効性肥料の違い
肥料にはさまざまな種類がありますが、大きく分けると「化成肥料」と「緩効性肥料」の2つのタイプがあります。
それぞれ特徴が違うので、目的に合わせて使い分けることが大切です。
種類 | 特徴 | メリット | デメリット |
化成肥料 | 即効性があり、短期間で効果が現れる | 早く効果が出る | 効果が短期間で切れるため、こまめな施肥が必要 |
緩効性肥料 | ゆっくりと養分が溶け出す | 効果が長持ちし、施肥回数を減らせる | 効果が出るまでに時間がかかる |
化成肥料は、人工的に作られた肥料で、芝生がすぐに栄養を吸収できるのが特徴です。施肥してから短期間で効果が表れるので、「早く芝生の色を濃くしたい!」というときにピッタリです。
緩効性肥料は、ゆっくりと時間をかけて芝生に栄養を供給する肥料です。化成肥料のようにすぐに効くわけではありませんが、 効果が長持ちする ので、こまめに施肥する手間が省けます。
芝生の管理スタイルに合わせて、適切な肥料を選びましょう。基本的には、春と秋に緩効性肥料を施し、成長が活発な夏には即効性のある化成肥料を補助的に使うのがおすすめです。
高度化成肥料と普通化成肥料
化成肥料には、高度化成肥料と呼ばれる化成肥料があります。高度化成肥料とは、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)の合計含有率が30%以上である化成肥料のことを指します。普通化成肥料に比べて成分含有量が多く、施肥作業を効率化できるメリットがあります。
ただし、以下のデメリットがあるので、ご利用の際は「施肥の量」を厳格に守ってください。
- 均一に散布することが難しく、施肥ムラができてしまうと部分的に肥料の濃度が高くなって肥料やけや肥あたりを起こす
- 適正量を少し超えただけで過剰施肥になりがちである
高度化成肥料を均一に散布するには、肥料散布機が必要です。肥料を手で撒く場合は普通化成肥料をおすすめします。ちなみに、芝生の化成肥料で良く使われる普通化成肥料は「8-8-8」という商品名で、多くのメーカーから販売されていますよ!
商品名の「8-8-8」は、「窒素8%、リン酸8%、カリ8%」という意味です。合計含有率は24%となり、30%未満なので普通化成肥料ということになります。
芝生に最適な施肥のタイミング
芝生の健康を維持するためには、適切な時期に施肥を行うことが重要です。
季節 | 施肥の目的 | おすすめの肥料 |
春(3月~5月) | 芝生の目覚めを促し、成長をサポート | 緩効性肥料+化成肥料(少量) |
夏(6月~8月) | 成長を維持し、鮮やかな緑を保つ | 化成肥料(即効性) |
秋(9月~11月) | 冬越しの準備として根を強くする | 緩効性肥料+カリ多めの肥料 |
冬(12月~2月) | 基本的に施肥不要(冬前の施肥が重要) | 施肥不要 |
特に春と秋の施肥が重要です。春は成長のスタートダッシュ、秋は冬越しの準備として、しっかりと肥料を与えましょう。
気温が高すぎる 真夏(7月~8月)は施肥を控えめに。夏は芝生が弱りやすい時期なので注意しましょう!
肥料を効果的に施すためのコツ
施肥の効果を最大限に引き出すためには、以下のポイントを押さえましょう。
1. 施肥は乾いた芝生に
朝露や雨上がりの湿った芝生に施肥するとムラができやすく、肥料焼けの原因になります。晴れた日の午前中や夕方に、芝生が乾いている状態で施肥しましょう。
2. 施肥後はたっぷり水やり
肥料をまいた後は、しっかりと水を与えて成分を土に浸透させることが大切です。目安は30分程度の散水です。
3. 均一にまく
手で適当にまくとムラができるため、肥料散布機を使うのがおすすめです。手作業の場合は、縦方向・横方向の2回に分けてまくと均一に施肥できます。
肥料散布機がない場合、化成肥料を手作業でまくコツとして、一度(一回)に与える肥料は少なめに、様子を見ながら施肥の回数を増やす方法にすると、手作業でも失敗がないです。
プロの造園業者による施肥のメリット
「施肥のタイミングが分からない」「均一にまくのが難しい」そんな方は、プロの造園業者に任せるのも一つの方法です。
メリット | 内容 |
適切な施肥 | 肥料の種類や量は、芝生の状態や季節 によってベストなものが変わります。プロなら、その状況に応じた最適な施肥をしてくれるので安心です。 |
ムラなく施肥 | 専用の散布機 で、芝生全体に均一に施肥!手作業よりもムラがなく、美しい仕上がりになります。 |
芝生の健康管理 | 芝生の健康状態がわかるので、病害虫対策やメンテナンスもトータルサポートできます。 |
プロに依頼することで、手間を減らしつつ、理想の芝生を維持できます。
まとめ
美しい濃い緑の芝生を維持するためには、適切な施肥が不可欠です。
- 芝生の成長には、窒素・リン酸・カリの三大栄養素が重要
- 化成肥料(即効性)と緩効性肥料(持続性)を適切に使い分ける
- 春と秋の施肥を特に重視する
- 施肥は乾いた芝生に行い、その後はしっかり水やりをする
- 均一にまくために散布機が便利
- プロの施肥サービスを利用すると管理が楽になる
適切な施肥を行えば、1年を通して健康で美しい芝生を楽しむことができます。ぜひ今回のポイントを参考に、理想の芝生を育ててみてくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。